女に泣かされた。(戸隠後編)
旅先での限りある時間や
人と「出会う」時間は
至上なものであり、非日常的だ。
だから、やたらテンションがあがる。
それを普段の生活リズムに戻すためには
それに要した時間もしくは、それ以上を要する。
まるで筋肉痛のように・・・
やっと筋肉痛がとれたので、後編へ。
戸隠はチェンバロのオーナー神倉恵子さんは
人を「照らす」月のような人だった。
澄んでいた。すべてがわかっているようだった。
ソレはまるで、「偶然」を装ってやってくる。
誰かと「はじめまして」すれば、すぐにやってくる。
集まる。繋がる。集まる。繋がる。 あっちもこっちも。
「え?そこ、つながっちゃう?」
「あれ?そっちも?まじ?」偶然なんかじゃない。
すべてはあなたが照らしているだけなんだから。
澄人もそんな恵子さんと偶然会った一人だった。
◎榊原澄人
前編で触れた通り、彼は、奇才だ。
日本には比較する人間がいない。
大胆に呼び込み、繊細に発想し、宇宙を作る。
そんな風に見える。話し込んでみたい。
いつか一緒に仕事がしてみたい。
◎川窪恭子/川窪裕子
妹裕子(写真右)は2004年11月に
パラグアイの「グアランバレ・フェスティバル」に出場し、
アルパ部門で外国人としては初めて優勝を果たした努力型天才奏者だ。
チェンバロで彼女のCDの1曲目にもある「時」を
聞かされたときのことはよく覚えていない。
音の上を悠々として流されるまま。
初めてだった。
音が純粋すぎて、
想いがそのまま音に成った気がして。
官能的に果てる感じに近かったと記憶している。
その夜更け、この姉妹と澄人家で一杯飲むことになったわけだが・・・
誰かが押した核スイッチは、
「川窪一家のすべらな~~い話」だった。
前述の音とはまるで結びつかない、
間髪なしのマシンガン姉妹漫才。
すべてが川窪大家族ネタオンリーなのだが、
niwaは腹が破裂するんじゃないかというくらいの
奇想天外な家族エピソードの連続。
笑いきった。笑いきって、泣いた。泣いて、泣いて、泣かされた。
姉の巧みに組まれたストーリー展開にひたすらかぶせ合う話術。
最近のつまらない芸人に聞かせてあげたい。
姉恭子は俺の知る中で随一の活弁士兼介護士である。
耳をたてさせる女と
泣かせる女は
素敵だ。
ありがとう。
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