「白仏」辻仁成(集英社)
辻仁成さん著「白仏」の
集英社での文庫化が決まり、装丁を担当させていただきました。
1999年仏・フェミナ賞外国文学賞日本人初受賞のこの作品は、
硬派な純文学の名作として、内外の評価がとても高い一作です。
福岡県大川市の筑後川の河口、
中州の島である大野島が舞台になっており、
その静かで独特な描写や方言は、細部にまでこだわっていらっしゃいました。
それもそのはず。辻さんの祖父の一生をモデルにした実話がベースになっています。
テレビドラマ化もされた、山田宗樹原作「嫌われ松子の一生」でも
主人公の出身地として描かれていた島でもあるようです。行ってみたい!
休みにゆっくり読みたい一冊。
【こちらが2000年の作品。】
【筑後川の写真を背景にしました。】
【色校正】
初校はすこし赤っぽく出てきてしまった(左)ので、
赤と黄を引いて水の透明感を高めました。(右)
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文庫: 288ページ
出版社: 集英社 (2015/8/20)
ISBN-10: 4087453472
ISBN-13: 978-4087453478
発売日: 2015/8/20
<内容>
筑後川下流の島に生まれた稔は発明好きで戦前は刀鍛冶、
戦中は鉄砲修理、戦後は海苔の加工機製造などをしてきたが、
戦死した兵隊や亡き初恋の人、友達、家族の魂の癒しのため
島中の墓の骨を集めて白仏を造ろうと思い立つ。
明治大正昭和を生きた祖父を描く芥川賞受賞第一作。
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